ご挨拶

第37回日本神経科学大会 Neuroscience2014 開催のご挨拶

このたび、第37回日本神経科学大会がNeuroscience 2014として、2014年9月11日(木)から13日(土)の3日間、パシフィコ横浜において開催されることになりました。

本大会を主催する日本神経科学学会の前身である日本神経科学協会は、1974年10月、我が国の神経科学の振興を目的として設立され、1978年に第一回学術集会を開催しました。

それ以降、本大会は基礎から臨床に及ぶ幅広い分野の神経科学研究者の研究発表や情報交換の場として、順調に発展を遂げました。会員数わずか70名で出発した日本神経科学協会は1991年からは日本神経科学学会と名称を変更し、2013年5月現在、会員数5800名を越える、我が国の神経科学界を代表する学会に成長しました。

2014年は学会設立40周年となります。この節目にあたる年の大会では、今後も果てしない発展の可能性を秘める神経科学のパワーを感じていただきたいと思い、「神経科学が世界を変える」(“Neuroscience Will Change the World”)をテーマとしました。分子、細胞、神経回路と異なる階層での神経系の理解を進める手段として、例えば蛍光タンパク質による細胞イメージング、iPS細胞、光遺伝学の新しい手法が開発され、神経回路の解明や高次機能の理解が大きく進展しようとしています。MRIやPETなどの画像解析はヒトの神経科学的理解を早め、ゲノム科学は遺伝性のみならず孤発性の神経疾患の発症機構解明の手段を提供するようになりました。このような時代の学問の最先端で活躍する国内外のトップ研究者に「神経科学が世界を変える」ことを会員の皆様に実感していただけるようなプレナリーレクチャーと特別講演をお願いしました。

また、神経科学学会は、学会挙げての強い意志と努力により、国内の学会では英語化が最も進んでいる学会です。この結果、他の学会ではみられない近隣国からの一般参加者も見かけるようになりました。しかしさらなる外国人研究者の参加を促進するよう、アジアの神経科学学会との共催企画を計画しております。次に臨床神経科学者、神経疾患研究者の参入を増加させることも当面の学会の大きな目標の一つです。この目標に向けて今大会では日本神経学会とお互いに共同企画を行う予定です。

一方、専門分化が進んで、システム神経科学、分子神経科学、臨床神経科学全体を見渡すことが困難になってきていることも大きな問題です。次世代の幅広い視野をもつ神経科学者の育成に向けて、そしてあらゆる世代の神経科学者の生涯教育にも役立つような教育プログラムを充実させたいと思います。

最後に2014年は会場費の値上げ等、周辺状況から、会期を3日間に短縮して行うことになりました。しかし内容を濃いものにして、例年に劣らない充実した大会にすべく、全力を挙げる考えです。

それでは会員の皆様、2014年9月、元気な顔で横浜でお会いしましょう!

第37回日本神経科学大会
大会長  髙橋 良輔
(京都大学大学院医学研究科・臨床神経学)

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